パッケージ・ロゴ・ウェブサイトのデザイン
アートディレクター
平林奈緒美
平林奈緒美
パッケージとロゴのデザインについて
- デザインさせていただいたのは、アスコルバイオ研究所の「プロビタC顆粒」「高濃度プロビタCゲル」「アスコルビタC 消臭抗菌ミスト」という3種のパッケージのリニューアルと、「ascorbio lab」の企業ロゴになります。
- 3種のパッケージに関しては、いわゆるコスメではなく、サプリとして薬局のような場所に置かれる商品であることを前提に、売り方もまずはネットや口コミを主に、リアルな店舗もアスコルバイオ研究所の理念に共感いただける先を選びながら広げていくという理解のもと、表の面は潔く欧文だけでデザインをしました。反対にドラッグストアのように商品がすし詰めになっている棚に並ぶ商品と捉える場合は、こうはいかず、効能などを日本語で大きく記したりして、デザイン自体をもっと目立たせることが大事になってきます。
- そのうえで3種それぞれ4つの丸い形というデザインはそのままに、軸となる色を変えてデザインをしています。例えば主力の「プロビタC顆粒」は、2005年に発売したオリジナルのパッケージがピンク色をベースにしていたので、何を変えて何を残すかというところで、今回のデザインでもピンク色を踏襲しました。
- 4つの丸い形はビタミンCの「C」をモチーフにしていて、というのも、丸は形の中でいちばん強い形だから。これは全体を通して最初に思いついたアイデアでもあります。4つのCマークはピンク色をグラデーションにすることで、体に浸透していくイメージを表しています。巷の商品のことを語るときに、よく「〜〜〜なデザインのあれ」という言い方をすることがあると思うんですが、アスコルバイオ研究所に関しては「丸が4つあるデザインのあれ」と言えると、わかりやすいだろうなとも思いました。逆に思い浮かべづらいデザインのものにはしたくなかったというのもあります。
- いっぽうで企業ロゴに関しては、「ascorbio lab」の字面に丸の部分が多かったので、それを強調したデザインにしたいなと。サイエンス感に寄りすぎるのも違う気がしていましたし、結果的にAA-2Gを発明した元祖としての本格感がありながら、どこかキャッチーなロゴになったと思います。
- 常々、デザインは装飾ではなく、機能に基づいているべきだと考えています。誰でもアイデアをたくさん出すことはできるけれど、「本当にこのデザインで合っているか」というジャッジはすごく大事で、結局そこがすべてというか、進めるなかで愛着の湧いてしまった案も含め「今回はこれじゃない」というものを思い切って落とせるかどうかが、大きな分かれ道になるような気がします。自分の好きな世界観やテイストをゴリ押しすることは簡単ですが、かっこよさやおしゃれさが求められていない仕事ではキャラを変えるというジャッジをちゃんとしないといけないなと、いつも思っています。
- 健康に関しては、お酒をかなり飲むぶん食事には気をつかっていて、外食もほとんどせず、夕食もオフィスで取るので当番制にして、自炊を徹底しています。あとは、とにかくずっと仕事をしていて下手すると1日200歩くらいしか歩かないので、あるとき「このままではいずれ歩けなくなってしまう」と改心して、40代後半から運動を始め、今はテニスを愛好しています。職業柄、どこかに出かけてもずっと何かを探したり見たりしてしまうのですが、テニスをしている間だけは、他に何も考えられない。体を動かすことで脳を空っぽにすることも、ある種の免疫力が付くような体感があります。そこに、今までサプリは何ひとつ飲んだことがなかったのですが、今回ご縁をいただいたアスコルバイオ研究所の製品だけは、摂取し始めました。「プロビタC顆粒」は日頃の免疫力維持のために、「高濃度プロビタCゲル」は、それこそテニスで思わぬ怪我をしたときなどに、集中して取り入れています。
- これからデザインできたらと考えているのは、「プロビタC顆粒」の個包装を保管する容器です。私自身は毎回パッケージを開けてそれを取り出さずに済むように、小さな引き出しにまとめて入れてしまっていますが、環境的な観点からもリピーターの方にはパッケージなしで個包装だけを取り寄せていただけるようにして、そこに気の利いた容器が付いてくると、きっとうれしいんじゃないかと思いますね。
プロフィール
アートディレクター
平林奈緒美
Naomi Hirabayashi
Naomi Hirabayashi
東京生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、株式会社資生堂宣伝部入社。ロンドンのデザインスタジオ「MadeThought」に1年間出向後、2005年に独立。TRUNK HOTEL、ARTS&SCIECE、AND THE FRIET、35MM®。サカナクション、宇多田ヒカル、坂本龍一をはじめ、多くのアパレルブランドやショップ、企業のCI計画、ミュージシャンなど、あらゆる分野のクリエイティブディレクション、ブランディング、アイデンティティ、デザインに携わっている。